ITインフラは全ての事業活動を支える基盤となり、様々な情報が蓄積されています。それらの情報が外部に漏れることは、企業や組織にとって大きな被害をもたらす可能性があります。
例えば、個人情報や会社の機密情報が漏洩した場合、それらの情報を悪用されたり、競合他社に情報が流出することで、企業や組織に深刻な損害が発生する可能性があります。
今回はITインフラ整備においてサイバーセキュリティ対策が重要な理由とその具体的な被害事例、6つのセキュリティ対策についてご説明します。
ITインフラ整備においてサイバーセキュリティ対策が重要な理由は大きく4つ挙げられます。
1.セキュリティリスクの低減
ITインフラには、機密情報や個人情報など重要な情報が蓄積されています。サイバーセキュリティ対策をしないまま、ITインフラを整備すると、情報漏洩やハッキングなどのセキュリティリスクが高まります。セキュリティ対策を適切に行うことで、これらのリスクを低減することができます。
2.法的規制への遵守
多くの国では、個人情報保護法やサイバーセキュリティ法など、情報セキュリティに関する法律が制定されています。ITインフラ整備においても、これらの法律に基づいた遵守が求められます。適切なサイバーセキュリティ対策を行うことで、法的規制に遵守し、不適切な情報漏洩やサイバー攻撃による罰則を回避することができます。
3.企業イメージの向上
サイバーセキュリティ対策が十分に行われている企業は、セキュリティに関するトラブルや事件が発生するリスクが低いと認知され、企業イメージの向上につながります。逆に、セキュリティ対策が不十分な企業は、顧客から要請されるレベルに達していないことによる取引への影響や、有事の際に取引先とのトラブルに発展するリスクがあります。
4.ビジネス継続の確保
サイバーセキュリティ対策は、ITインフラが攻撃を受けた際にもシステムが正常に稼働し続けるようにすることも重要です。サイバー攻撃によってシステムがダウンした場合、ビジネスの継続性に影響を与えることがあります。例えば、オンラインサービスを提供する企業であれば、サービスが一時停止することで顧客の信頼を失うことになるため、復旧には迅速な対応が求められます。悪意のある攻撃者による情報漏洩やデータ改ざん、システムへの侵入を防ぎ、システムの安全性を確保することができます。
経営者や情報システム部門は、これらの観点を踏まえた上で、適切なセキュリティ対策を行うことが求められます。
サイバー攻撃被害による直接損害の他に、原因究明や修復作業、取引先や顧客、関係者への状況説明など、事後対応費用に事業継続を脅かすほどの損害が発生します。サイバー攻撃によるダメージが影響する範囲は想像以上に広く、高額な損害を伴います。結果的に金銭の損失、顧客の喪失、事業継続の阻害に繋がり会社全体の経営リスクが高まってしまいます。
金銭の損失 | 顧客の喪失 | 事業継続の阻害 |
◆被害事例1:プラスチック部品製造業社の被害事例
ハッカーにメールサーバを乗っ取られたことによって、顧客宛てに「なりすましメール」が送られていた
<被害内容>
メールサーバの脆弱性により、実在するアドレスがなりすましメールに使用されたケース。顧客から「メールを受領したが、フィッシングメールに振り分けられた」という連絡を受け送信 履歴を確認したところ、実際には連絡を受けた社員はメールを送っておらず、ハッカーにメー ルサーバを乗っ取られたことによって、顧客宛てに「なりすましメール」が送られていたことが 発覚。
発覚が遅れていた場合、顧客への被害拡大により企業の信頼が失墜する可能性がありました。
<原因>
主な原因は、メールサーバの脆弱さによるもの
<対策>
・使用するソフトウェアは常に最新版にアップデート
・社内で使用するソフトウェアは、システム担当者が必ず点検を行なってから使用
・ITシステム管理の重要性について徹底的に社内に周知
◆被害事例2:自動車部品製造会社の被害事例
標的型攻撃メール(スパムメール)によって製造ラインが一時稼働停止
<被害内容>
購買担当者が、輸送会社に見せかけて送られてきたウイルスメール内の材料の輸送状況確認リンクをクリックしたことで、PCがランサムウェアに感染。購買担当者のPC内の全ファイルがロックされ、データへのアクセスや読み出しができなくなった。さらに社内データにも被害がおよび、工場の製造に関わる各種システムが一時的に使用できなくなり、製造ラインを一時的に稼働停止。多額な被害額と年間売上の損害が報告されました。
<原因>
セキュリティ対策の脆弱
<対策>
・社員への知識教育(スパムやなりすましメールへの対処法など)
・バックエンドシステムのセキュリティ設定レベルの確認、及び、見直し
6つのセキュリティ対策
IT技術が日々進歩する中、サイバー攻撃技術も同時に進歩していきます。被害を最小限に留めるためにはサイバー攻撃を受けることを想定した以下大きく分けて6つの対策を徹底することが最も重要です。
① 物理セキュリティ対策 |
② ネットワーク セキュリティ対策 |
③ エンドポイント セキュリティ対策 |
④ アプリケーション セキュリティ対策 |
⑤ データセキュリティ対策 |
⑥ 組織内部のセキュリティ方針 (Security Policy) |
次の記事では、6つのセキュリティ対策の例について具体的にご説明させていただきます。
お客様のインフラセキュリティ脆弱性の調査、診断を実施し、適切なセキュリティ対策をご提案いたします。ご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせください。
09-06-2023